【35】寵児マツダに見る弱者の戦略6
(1,2,3,4,5の続き)
トヨタのマルチチャネル戦略に対抗する形での、マツダのキーコンセプト戦略に関する続きです。
前述の通り、トヨタは、多数の異なるコンセプトを持った販売チャネルを持つことで、顧客の多様なニーズに応え、シェアを大きく伸ばしています。では、なぜ、マツダが同じ戦略で失敗したのかについて考えていきます。
中堅自動車メーカーであるマツダは、トヨタなどの最大手と比較して、そもそもの販売台数も大きな差がある上、開発やマーケティングにかけられるコストも大きく制限されます。
そのような状況において、最大手と同じ戦略を取ってしまうと、資本面で大きく負けてしまいます。その上、チャネルごとに開発やマーケティングにかけられるコストが分散することで、ジリ貧の状態となってしまいます。
顧客のターゲットを絞ることにより、選択と集中を行い、ある一点において最大手メーカーと引けを取らないマツダならでは価値を尖らせている点は、弱者の戦略であるといえます。
ここからは、スタートアップ業界において、マツダのような、選択と集中による弱者の戦略がとられている事例について考えていきます。
(続く)