【33】寵児マツダに見る弱者の戦略4
(1,2,3の続き)
このように、「弱者の戦略」ともいえる逆張り戦略によって驚異的なスピードで業績を回復したマツダですが、先ほどのパワートレーン、制御システム以外の部分においてマツダが取った弱者の戦略を紹介します。このマツダの経営戦略については、分析記事や検証文献が多数存在しますが、この戦略の多くが、スタートアップが、既存の大手をベンチマークする際にも非常に参考になる点が多くあると考えています。
車のコンセプトを1つに統一し、全車似たような顔にした
お気づきでしょうか。そうなんです。みんな同じ顔をしています。
このように、ブランドのキールックを定め、デザインを統一するというのは、ドイツ3大メーカーなどでは古くから行われていたことではありますが、これを日本メーカーで初めて徹底して取り入れたのがマツダです。すべて同じデザインコンセプトを流用しているため、このデザインが好みに合わない、どうしても無理、といった顧客をとりこぼしてしまう反面、デザイン等、開発にかかるコストを削減できる、街で見かけた際など、「マツダ車」と一眼で判断できるデザインとすることで、広告効果が期待できる。ブランドの統一感を高めることにより、ブランド力の向上が期待できる、といったメリットがあります。
(続く)